オールソールのハナシ その①

こんにちは。
ジメジメと蒸し暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。


さて、春の長雨は外出の機会が減る一方で、身の回りを整えたり見直したりするのにちょうどいい機会でもあります。
玄関のお靴も、メンテナンスのタイミングではありませんか?

早めの修理は、靴への負担が軽くなります。ぜひお早めにチェックされてみてくださいね。



今日は、オールソール(ハンドソーン製法)の修理の模様を追っかけてみました。
ちょっと長いですが興味のある方はぜひお付き合いください〜。


オールソールというのは、靴底やヒールを丸ごと新しいものに取り替えることです。

ハンドソーンの靴は、写真のように本底とヒール以外に、シャンク(鉄の芯材)とウェルトの革、コルクなどの普段見えない内側の材料まで取り出していきます。


7年前ほど前にオーダーいただいたこちらのお客様のお靴をオールソールしていきます。

まずは、木型に入れてます。木型を入れることで履いてくたっとした状態だった革に、少し張りが戻ります。

分解するのに使用する道具たち


まずはヒールを丸ごととっていきます。


通常の修理では、ゴムがついている革1枚分(ヒール一段目)だけお取り替えしていきます。
だいぶすり減っていて二段目の革に届きそうですが、一段目部分がなくなるギリギリまで履いていただけます。

一段目がなくなる少し手前の状態です


次に、本底を剥がしていきます。



革包丁を入れて、ウェルトと本底を繋ぐだし縫い糸をどんどん切っていきます。


剥がし終わると、中のものを丁寧に取り出していきます。中にはコルク、スクイ縫いを伏せる革、シャンクが入っています。
ここの状態で、大体の靴の健康状態がわかってきます。



分解が終わりました。


綺麗な状態の伏せ革

この伏せ革は中底の一部。スクイ縫いを行うための溝を掘る際に生まれる革で、大切なパーツです。

靴の中に水分が溜まっていたり雨の日に履いていたりすると、内側が劣化してコルクと一緒にボロボロになることが多いです。靴の寿命が短くなる原因になりますので、要注意です。

今回はとても綺麗な状態で取り出せました。大切に履いていらっしゃったのがわかります。



長く履いていただくと、スクイ縫いがこのように緩んでくることがあります(個人差があります)。

お修理の目安としましては、ウェルトをグッと引っ張ってみて、白い糸が見えるようでしたら緩んでいる証拠。スクイ直しが必要なサインです。
今回は両足共にスクイ直しを行います。


なお、スクイ直しはオールソールの時にしかできない工程なので、ぜひお手持ちのお靴をチェックしてみてくださいね。切れているとつまずいて怪我をする恐れもありますので、お早めにお持ちください。



続きはまた次回!





余談。
オールソールの時にしかみられない光景。だし縫いの跡を透かしてみると綺麗なんですよね。




⭐︎オールソールのハナシ その②はこちら





⭐︎その他のお修理のチェックポイントはこちら






—————————-
2-18-5 yanaka Taito-ku,Tokyo 110-0001  
Shop open 13:00-18:00    (holiday  Wed,Thu)

LINE ID  @551ttlvs (LINE登録はこちら
 

人気の投稿