オールソールのハナシ その②

こんにちは。
今日は、前回のオールソールのハナシの続きになります。

トップのお写真はオールソールが終わったお客様のお靴。
表革の経年変化はそのままで、ソールが綺麗にうまれ変わりました。

また新たな気持ちで履いていただけますね。


前回はソールを分解して中ものを取り出すところまでお伝えしました。(オールソールのハナシ その①

次は、ウェルトが緩んでいないか確認します。
ウェルトとは、表の革と中底を繋いでいる細い革になります。ハンドソーンのお靴には必ず付いています。今回は、糸が緩んでいる部分があったためウェルトを縫い直していきます。







すくい縫いで使う糸は、細い麻糸を7本撚って1本の糸にしたもの。
その後、しなやかさと強度を持たせるため、チャンと言われる松ヤニと油を混ぜたものをひいて丈夫な糸に仕上げていきます。この作業も昔から変わらない靴づくりの光景です。
アッパーへの負荷が少なく切れにくい糸は、手で作ることが最善。



ひと針、ひと針、同じ穴に針を通していきます。
最後に糸をキュッとしめるために引っ張るのですが、この作業も職人の匙加減と言いますか、大事な工程の一つです。手作業で行うことが、踏まずのフィット感が増し履き心地の良さにつながると考えています。



すくい直しが終わったら、糸のダメージを軽減するために中底を加工した際にとっておいた伏せ革で糸目を塞ぎます。人によっては、この伏せ革がボロボロになっている状態もあります。オールソールで気づくのは、なんとなくその方の歩き方のくせだったり、履き方がわかったりします。


クッション材となるコルクを詰めていきます。











Design no. S300-10

今回お預かりしましたお客様のお靴は、ちょうど8年ほど前にお作りいただいたもの。
オールソールの前に、何度かヒールのゴムをお取り替えいただき、修理をしながら長く履いていただいておりました。
やはり表の革の状態が良いと靴は長持ちします。

毎日ではなくとも、気が向いた時に、
ブラシで埃をとってあげたり、クリームで保湿してあげたり。
お手入れをしながら長く履いていただけると嬉しく思います。

お手入れの方法など、わからないことがございましたらお気軽にお尋ねください。

本日も13時よりお待ちしております。




◼︎2023.7.21現在◼︎
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